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JAPAN NIGHT in TAIPEI (Taiwan)

JAPAN NIGHT

2015年5月23日(土)、<JAPAN NIGHT>台北公演が開催された。日本音楽の魅力を世界へ伝える祭典<JAPAN NIGHT>の海外公演第二回目は、日本と距離的に近く、親交の深い台湾のオーディエンスを魅了した。台湾でのライヴ実績を持つVAMPSとJESSE率いるThe BONEZ、そして初上陸となるthe GazettEによる3バンドのプレミアムなステージ。それを真っ正面から受け止めた台湾オーディエンスとの強烈な化学反応は凄まじい熱量を生み、伝説的な一夜を作り上げた。

この時期の台湾は雨期にあたるらしく、時おり雨がちらつく空模様。しかし現地スタッフ曰く、「中華圏で雨は恵みを意味する」ことに加え、平均気温28度の気温もクールダウンされるようで過ごしやすい。ライヴ会場となる台湾大学総合体育館(台⼤綜合體育館1F多功能球場)は観光局の催事ほか世界的スポーツ行事が開催されるなど、首都台北市内有数のイベントホールとしての側面も併せ持つ国立大学施設だ。敷地内にはサッカーグラウンドや陸上トラックなどの広大な設備を有しているほか、巨大な体育館内にはスイミングプールや卓球場、スカッシュコートが併設されている。<JAPAN NIGHT>台北公演は、館内最大の1F多功能球場で開催された。

公演前日の22日、台北松山空港に到着した3バンドを出迎えたのは約200人の現地ファンと30社を超えるであろう台湾報道陣だった。その熱烈な歓迎ぶりを引き継ぐようにライヴ当日の会場敷地内には午前中からファンの姿がそこかしこに見受けられ、まさに待望の公演であることが思い知らされる。そして現地時間18時、場内の巨大スクリーンに映し出されたオープニング映像がThe BONEZ、the GazettE、VAMPSを次々と紹介、映像がそのままトップを飾るThe BONEZの登場を告げると、3500人の台湾ファンで埋め尽くされた会場の叫び声はますます高まり、会場が地響きを起こした。

RIZEのフロントマンでもあるJESSEのソロプロジェクトとして始動したBONEZは、Pay money To my Painのリズム隊T$UYO$HIとZAX、さらに元RIZEのNAKAが加わり、現在4人編成のバンドThe BONEZとして精力的な活動を続けている。2015年3月には台湾・高雄で開催された大型フェス<2015大港開唱 Megaport Festival>に出演したばかりとあって、4人のサウンド&パフォーマンスはすでに多くの台湾ファンの心を掴んでいたようだ。

始まりの狼煙を上げるようにNAKAのフィードバック音が高らかに鳴り響き、ステージは「Ray」からスタート。ヘヴィロックやグランジを基盤にした重低音がフロアを震わせながら、タイトでソリッドな演奏が会場を疾走させる。のっけからして全身全霊だ。中盤の「Adam & Eve」ではステージを降りて客席内のフェンスに登ったJESSEのもとへ、フロアが逆巻く荒波のように押し寄せるなど、台湾オーディエンスももはや暴発状態。加えて、全編英語によるJESSEのMCひと言ひと言は熱く、客席の心に輝かしい火を点けていく。ラストナンバー「Hey, You」までの全8曲は、シンガロングあり、モッシュありとすべてがハイライトシーンと言えるもの。約1時間のアグレッシヴでハートウォーミングなステージが圧倒的なテンションのまま駆け抜けた。

暗転したステージ上に、the GazettEのバックドロップが姿を現しただけでつんざくような嬌声が鼓膜を突き抜けた。2013年にワールドツアーを成功させたことをはじめ、これまで欧州を中心に数々の海外ライヴを展開してきたthe GazettEだが、ここ台湾は初。現地ファンの渇望感が怒号のような大声援に凝縮されているようであまりにも烈しい。この日のthe GazettEのステージはそんなファンの気持ちに応えるかのようにアグレッシヴナンバーのオンパレードとなった。「INSIDE BEAST」で幕を開けたステージは、ビリビリ震えるほど強烈な音量が身体を襲う。もちろんこれは音がデカいという類いの話ではない。メンバーの放つ1音1音に威力があるのだ。続く、「VENOMOUS SPIDER'S WEB」では激しく身体を揺れ動かすファンが至るところに見受けられて、会場全体が生きているかのように鼓動する。

「ニイハオ! 楽しんでますか? いい感じだね、台湾。もっともっと上っていきましょう」というRUKIのMCに導かれた中盤には新曲も披露。深くヘヴィなバンドサウンドと美しいメロディラインが交錯する狂おしいまでのナンバーに台湾ファンが酔いしれた。全10曲が演奏されたステージのラストを飾るは「Filth in the beauty」。一際明るい照明のもと、超満員の客席が一斉に飛び跳ねる姿は壮観そのもの。ステージと客席の想いが一体となった興奮は彼らがステージを去ったあとも冷めることがなかった。

そして、<JAPAN NIGHT>台湾公演のトリを務めるのはVAMPSだ。ワールドツアー<VAMPS LIVE 2010 BEAST WORLD TOUR>や<2009 Summer Rock Summit>を含め、台湾上陸公演は自身3度目となる。この前日、現地主力メディアを招いて開催されたレセプションでHYDEは、「全米ツアーというある種アウェイな状況の中で1ヶ月間ツアーを続けてきました。今、すごく飢えてます」と語っていたが、VAMPSのステージはその言葉通りに研ぎ澄まされたものだった。オープニングナンバー「WORLD'S END」のイントロがはじき出された瞬間、眩しい光の中に強烈な存在感を放つHYDEのシャウトが浮かび上がった。ゾクっとするほど高いテンション。しかしそれは作られたものではなく、ナチュラルな状態によるものだということが分かる。

「LIPS」「EVIL」と全米ツアーで音的にも精神的にも磨かれた楽曲の数々は、強靱なリズムのウネリを巻き起こし、バラード「VAMPIRE'S LOVE」で身悶えするようなサウンドを響かせる。圧倒的な表現力の高さ。SIXX:A.M.との全米ツアーで育まれたものは、もはや無敵にして正真正銘のバンドサウンドだった。それを全身で味わう台湾のオーディエンスは、緩急豊かな音の洪水に身を委ねることで会場全体がひとつになっていくことを知っている。これがVAMPSと台湾オーディエンスの今。なんと膨大な熱の放出量か。アンコールで披露された「REVOLUTION Ⅱ」「SEX BLOOD ROCK N'ROLL」で繰り返されるコール&レスポンスには、もはやステージと客席の間に距離がない。ひとりひとりがVAMPSと絶妙に共鳴して、<JAPAN NIGHT>台北公演が大熱狂のうちに終了した。

時計を見ると、時刻は21時30分。3時間半にわたる台北公演は、3バンドそれぞれがプレミアムで壮大な<JAPAN NIGHT>をステージ上に描き切った。そして、それらを突き抜けて鮮やかな印象を残したのが台湾オーディエンスとの一体感だ。日本音楽の魅力を世界へ伝える祭典は、ジャカルタ公演に続き、深く記憶に刻み込まれる感動を残してくれた。

<JAPAN NIGHT>は7月10日(金)および11日(土)にロンドン公演を開催する予定だ。国境を越えた感動と興奮が再び。

取材・文◎BARKS編集部